親御さんに進路を打ち明けたとき、
「そんなの無理に決まってる」
「狭き門だ」
「成功するのは、一握りの人間なんだから」
と言われてしまった、という読者の皆さん。
こんにちは、作曲家の逸@itsu_guitaristです。
新しいことに「挑戦」するとき、
ただでさえ不安なのに、
身近な人から反対されると、
とても苦しく感じるのではないでしょうか。
わたしの場合は高3の夏、
音楽の専門学校に行きたいと伝えたとき、
あなたが成功する確率なんて、ほぼ0%に等しい
と家族に言われたことをよく覚えています。
誰がどこに座っていたかまで覚えてる笑
実際、非常にショックで、
立ち直るのに10数年かかったんですが、笑
今では、
ほぼ0%ってことは、
「0%じゃない」ってことね。
とまっすぐ返せる自信があります。
大丈夫!
ですが、「親御さんの言葉」というのは、
他の誰に言われるより心に残ると感じますので、
今回の記事では、
なぜ親と理解し合えないのか
について考えたあと、
「無理・できっこない」という言葉を、
なぜ気にしなくていいと言えるのか
その理由についてお伝えします。
今回は、
進路を考える「高校・大学生の読者さま」を想定して書いていますが、
「新しく何かに挑戦する方」にも参考にしていただける内容です。
この記事が皆さんの勇気になれば幸いです!
親に言われると、しんどい
小・中・高校生の時、
親は子どもに幸せになってほしいんだから、
話せば最終的には分かってくれる。
と固く信じてうたがいませんでした。
たしかに、
ほぼ全ての親御さんが、
「子どもに幸せになってほしい」
と思っているのは、間違いないことだと感じます。
ただ。ここでポイントになるのが、
親の考える「幸せ」と、
わたしたちの考える「幸せ」が違う場合がある。
いうことです。
だからずっと意見が合わないんだ。
親子で「幸せの基準」が違う
これは別に、
おかしいことでも、不運なことでもありません。
なぜなら、
わたしたちと親御さんでは、
生きてきた環境が違うからです。
教育だって、
以前は「男らしさ・女らしさ」が求められていましたが、
今では「君・ちゃん」でなく「さん」で呼ぶ。
入学願書の性別欄がなくなる。
など見直されはじめ、
働き方だって、
わたしが高校生だった、つい(つい笑?)10数年前は、
「日本企業=年功序列・終身雇用」と教わりましたが、
2020年代の今、
「2人に1人が転職する時代になった」と言われるほどに変わってきました。
テレワーク、オンライン会議が当たり前になったのも、
コロナ後だもんね。
結婚(出産)も、
する・しないは個人の自由という考え方が広がっていますが、
親・おじいちゃんおばあちゃんの世代は、
「周りに結婚しない人がいなかった」から、
「しない」という選択が想像できないのかもしれませんね。
良い・悪いじゃなく、
「想像できない」ことが原因かも。
つまり、
わたしたちと親御さんの「価値観」が大きく違うことで、
お互いの意見が合わない。
何度話し合っても理解し合えない。
ということが起きる場合があります。
「いかに違うか」を知る
資格がないとクビにされる。
大学に行けば人生うまくいく。
というのが親の口グセで、
時代はどんどん変わっていくのに、
なぜ親は理解できないんだろう。
とわたしはずっと不満でした。
〇〇しておけば安心。なんて、
この世に無くない?
ですが、
親の生きてきた環境が、
わたしたち子どもと、いかに違うか。
を知ったことで、
たとえ血がつながっていても、
意見が合わないことは充分あるし、
40〜60年ほど同じ価値観で生きてきて、
新しい考え方をすぐには理解できないよな。
と思えるようになりました。
何十年も好き(or嫌い)
だったものを変えるって難しいよね。
これは決して、
「親と分かり合うのをあきらめろ」という意味ではありません笑!
ですが、
価値観が違うということは、
“親の思う幸せ”と“わたしたちの思う幸せ”が違うということ。
つまり、
親の思う幸せでは、
「わたしたちが」幸せになることはできない
ということです。
だったら、わたしたちは、
難しくても、やりたい。
異常と言われても、やりたい
応援してもらえなくても、やりたい。
「それでも、やりたい」
と言うしかないのではないのでしょうか。
親は、老いる
とはいうものの、
読者の皆さんのなかには、
「親が怖い」「逆らえない」
と感じる方もいるのではないでしょうか。
うちの親も、
親の言うことは間違いない。
親の方がよく分かっているんだから。
と一歩もゆずらず、
正しい気マンマンな人たちだったので、
親=ずっと強くて、ずっと敵わない存在
だと感じていました。
ですが23歳のとき。
新入社員だった年の秋に父親が亡くなり、
やっと「あれ、なんか違うぞ」と気づきました。
肺がんで、
あれだけメタボメタボ言ってたのに、
最後、腕や太ももはガリガリにやせ細っていて、
とてもこれが現実とは思えませんでした。
親はいつまでも元気な気がしてたから・・・。
祖母も父と同じ年に亡くなり、
祖父は、わたしが27のときにこの世を去ったので、
つまり、
「20代の間に・3人も」親祖父母がいなくなっている
というわけです。
母は存命ですが、衰えています。
まーあ、衰えています!
48歳ごろなんて、最強に冴えわたっていて、
怒られた日の夜には、
普通の人は、
寝たら昨日のこと忘れるかもしれんけど、
お母さんはいつまでも覚えているからね!
と言ってくるくらい圧が強く、
(というか意地がわるいね笑)
当時のわたしは、
暗闇にお化けがいるより、お母さんがいる方が怖い
とよくつぶやいていました笑
お化けはワンチャン逃げれるけど、
お母さんからは逃げられんからね笑
ですが10年後。
母が58歳になったころから、
3日前に話したことなのにもう忘れている。
腰や手首を痛めやすく、毎週接骨院にいく。
あげくの果てに、
水筒にお湯を入れるとき、
自分の指にかかっているのに気がつかず、
ドバドバかけて大火傷をする・・・
などの変わりようで、
これがあの恐ろしかった母だろうか?
いつも自信マンマンで、
何を言っても聞く耳をもたないあの母だろうか?
と心の底から思います。
こんなに変わる?
ただ、中学校・高校の時だって、
親が老いることは考えていました。
ですが、
「子どもより先に亡くなるなあ・・・」
くらいに考えていて、
それがいったいどういうことなのか。
きちんと分かっていませんでした。
ですが、父も祖父も祖母もいなくなり、
母も衰えてきた今思うのは、
子どもだって、ガンガン意見言っていい!
ということです。
わがままではなく、自立に必要
学生のうちは、
親に食べさせてもらっているし、
書類を書こうとしたら保護者印が要るし、
「自分は弱い」と考えてしまうかもしれませんが、
弱いって・・あと10年くらいですよ?
まじであっという間。
皆さんが高3の18歳として、10年後は28歳。
ぜんっぜん、子どもじゃありません!
会社だと中堅社員。
知識がついてきて、新しい仕事もまかされて、
チームの中で意見を聞いてもらえるようになってきます。
子どもが産まれ、自分自身が親になっているかもしれないし、
住宅ローンを組む方や、起業する方がいらっしゃるかもしれません。
28歳なら充分ありえるし、もっと早く経験するかも。
母が58歳くらいで衰えてきた。
と言いましたが、
それは、
わたしが29歳(社会人7年目)
妹たち24歳(社会人2年目)のときです。
つまり年齢だけでなく、
子どもが成長し、親として「肩の荷がおりたから」
あの、異常なまでのガンコさがなくなったのかもしれません。
妹たちまで全員自立したからね。
とするならば、
「自分のやりたいことをやる」というのは、
決して子どものわがままではなく、
わたしたち子どもが、
「はやく一人前になるため」に必要なこと
といえるのではないでしょうか。
はじめからあきらめない
“あなたのやりたいことは、
あなたのお金でやってちょうだい”
これも高3のころ言われた言葉ですが、
たしかに子どもの進路をどこまで応援するかは、
「それぞれのご家庭次第」ではあると思います。
経済状況も違うからね。
ですが、
そう言われた4年後には、
父はがんを告知されてわたしの進路どころではなくなっていたし、
10年後には、
母も記憶力や体力が衰えてきています。
つまり、
自分のお金をためて、
さあ、やりたかったことやろう!という時に、
「親を助けなきゃいけない状態」だったり、
「親が当時のことを忘れている」可能性は充分にある
と感じます。
前あんなに反対したじゃーん!
ってなるよね。
もちろん、
話をして上手くいかないこともあります。
うちの親も魔王レベルだったので、笑
“説得されない人”がいるような気もしますし、
進路によっては、
“学費が非常に高額”という場合もあるでしょう。
ですがそれは、
今できる限りの話し合いをして、
もしダメだったら、そのときに考えればいいことです。
今できることは全てやっておこうよ。
そのため、はじめからあきらめず、
「これは必要なことなんだ」という強い気持ちで、
あなたの意見を伝えていただきたいです。
強い気持ちでいどもう。
『チキンラン』の名言
映画『チキンラン』で主人公のジンジャーは、
「成功する確率なんて、ほぼ0%よ」と言った仲間に対し、
そう、じゃあ0じゃないってことね。
とまっすぐ返します。
この映画は、
囚人のような生活をしているニワトリたちが、
養鶏場から“大脱走”するおはなしなんですが、
この、
ふだん一緒に生活している仲間から、
「無理じゃない?」と言われても、
すぐさま、
「無理じゃない!」と返せるのが衝撃的で、
でも、うらやましくて・・・
このシーンはもう、
目も耳も痛くなるほど、
くり返し、くり返し再生しました。
主人公のような勇気がほしい。
といっても、
親御さんに0じゃない!といい放ったり、
ましてや論破したりする必要はないので、
(というかしない方がいい)
話し合うときは、
以前の記事でお伝えしたように、
「何度も・頻繁に・時間をかけて」伝えることを意識して、
あせらずやりましょう。
▼こちらでお伝えしています。
今回の記事の軸になった映画『チキンラン』は、
可愛くて・笑えて・勇気がもらえる作品なので、
読者の皆さんも、ぜひ一度見てみてくださいね!
※2024年4月30日記事執筆時点。作品の配信状況は各サイトでご確認ください。
「ウォレスとグルミット」と同じ監督の作品だよ。
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